2024年 11月 1日
注 : 筆者は Linuxを勉強して 1ヵ月の、にわか初心者です、本稿から続く記事も内容は初心者向けで、それなりである事をご了承下さい。
1、導入と Linuxの概観
2、Linuxって何?
3、Linuxの種類は?
4、デスクトップ環境(GUI)について
5、どの Linuxを使えば良いの?
● Linux導入は、以下の動画シリーズを見れば大体できます。
【便利ソフト】気軽にLinuxを試したいならまずは仮想マシンで試してみよう!仮想マシンでUbuntuフレーバーOSを試すPart1:環境構築編~動作編!【Linux】
Linux「使ってみた」
● WEB上、ブラウザ上で 70種類(現在)くらい Linuxを試せるサイトもあります。
DistroSea Test drive Linux distros online!
1、それはトラブルから始まった
父の PCがトラブって(Wifiルータ経由でプリンタが繋がらない)、原因が分からなくて中古のマザボと電源を買い足す事になったんだけど、結局直らなくて無駄になった、ちなみに原因は未だに分からない。
しかし余ったパーツで第四世代の PCが一つ組める事になったので、この際、懸案だった LinuxOSを試してみようという事にした。
と言うのも Windows10のサポートが 2025年の 10月で切れるんだけど、Windowsが高くて 15000 ~ 20000円くらいはするし、Windows12はサブスク(subscription、サブスクリプション、「月額」って言えばいいやん)だという噂もあるしで、いい加減 Windows嫌いというか、使う気がしなくなる(月額の値段にもよる)
まあ今の所 VirtualBoxで Linuxをいじっていて感じたのは、Windowsは完成度が高く、やっぱりちゃんとしてるので、そのくらいの値段ではあるのかな、という気はする。
一番問題なのは、要するにWindowsのバージョンアップで再インストールと過去のソフトが動かなくなったりする事、過去の資産とか文化が破壊される事だ、これが嫌だね。
だからサブスク(月額)になって、ずっと Win12のままだと言うなら、それは良いかもしれない(値段による)
まあそれでもずっと同じとは限らないしね、要するにマイクロソフト側の都合で振り回されるのにウンザリしてる。
これも Linuxにした所でバージョンは 3~5年のサポートで、むしろ Windowsの方が長寿かもしれない。
Linuxはバージョンを上げると対応しないソフトも出るようなので、その点も Windowsの方が優秀なのかもしれない、例えば Windows10でもXP時代の 32bit版ソフトが動いたりもするので、Linuxで考えるとこれは結構大変な事かもしれない。
しかし、例えば自分は Windowsがメールソフトを変更した時に、継続性を考えて Thunderbird(サンダーバード)にしてる、ブラウザはほとんど Firefoxを使ってる、動画再生は VLC media playerを使ってる。
この 3つは Linuxだとほとんど専用ソフトなのでだいたい付いてくる、つまりこの辺の作業だけなら別に Windowsである必要は無い。
オフィス系は Excelと交換性のある、LibreOfficeがスタンダードみたい。
Linuxでできないのは、絵を描くソフト、フォトショップだとかクリスタとか、それから音楽関係、DAWとかプラグインとか音源とか、この辺は弱いみたい、まだ色々調べてみないと分からないけど。
後ゲームが動かない、これも今は Steamで動くとか言うものも増えてはいるみたい。
今はフォトショップにしてもブラウザ上で動くもの(Photoshop web 版)、つまり処理はネット向こうのサーバーでして、結果だけブラウザに映すというものがあって、ゲームなんかもそういうものが出てきて(クラウドゲーム)、ラグはあるにせよ、ブラウザだけあれば大抵の事はできる、という風になってはきてるみたい。
Linux(リナックス)は元々は UNIX系カーネルの一つで、カーネルってハードウェアを動かすプログラムだと思う。
つまり、ハードを動かす BIOS、BIOSを呼び出してハードを操作するカーネル、カーネルを呼び出して様々な、プロセス管理、メモリ管理、デバイス管理、ネットワーク、ファイルシステムなどを処理するプログラムが作らている、たぶんそんな感じ。
LinuxOSは「Linuxカーネルを元にした OS」という事になるけど、様々な LinuxOSの種類の事を「ディストリビューション」と呼ぶ。
ディストリビューションという言葉は「パッケージングして配る」というような意味らしい。
ちなみに言うと Linuxを作ったのは 1991年にフィンランドの大学生だったリーナス・トーパルズさんという事なんだけど、自分の名前と開発環境のOSの名前 Minixをたして(Linus’s Minix)Linuxになったとか、本人の発音ではリヌックスらしい、日本での名称はリナックス、発音は国それぞれらしい。
リーナスさんのつくったのはカーネルで、今もこのカーネルを更新しているんだけど、ボランティアが 1万人程で分担して開発し、反映する決定を今もリーナスさんが行っている、という事らしい。
まあ流石レゴとマイクラの組み上げるのが好きな北欧、と言えるかも。
オープンソース、つまり誰でもいじれて改造できるリナックスには膨大な種類のディストリビーションがある。
* 画像の整頓表示は、画像くっつけたーのサイトで行ってます
まあなんか、源流となっているものは、
Debian(1993)
Red Hat(1993)
Slackware(1992)
で、そのほかに途中から誕生した
Arch Linux(2002)
などがある、という事らしい、ただこれメジャーになったのは、という事なんだろうね。
個人向け一般 PC用途で使われるのは Debian系が多いらしい。
RedHutは元々 IBMの子会社で法人向けやサーバー向けが多いようだ。
それじゃあ、どれを使えば良いの?となると迷う必要は無い、自分の試した感じでは最初心者には Ubuntu系一択と言って良いと思う。
Ubuntu (2004) → 拡大
Ubuntu(ウブンツ)はDebian派生の Linuxで、誰でも扱えるように簡単にした Linuxと言う事らしい。
Ubuntuは南アフリカの言葉で「他社への思いやり」という意味だそうだ。
いじってみて Ubuntuの良さは安定性という事に尽きる、Ubuntu系以外では Manjaroと MXLinuxをいじってみたけど、何かしらバグとかフリーズとかあって、Linuxのそういう不安定さを体験すると Windowsがいかに奇跡的に問題を起こさず完璧に動作してるのか、というのを知る事ができる、Ubuntuは安定性でそれに追従する、個人的な感想ではそんな感じ。
Mint (2006) → 拡大
Mint(ミント)はUbuntu系(中身はほぼ Ubuntu)で Ubuntuの安定性に加え使いやすさが加わる。
最初心者にもっともおすすめ、だと思う。
欠点はアイコンの画像がデフォルメ調と言うか、あまり良くないという事、たぶんアイコンセットを変えられると思うんだけど。
Kubuntu (2005) → 拡大
Kubuntu(クブンツ)は、Ubuntuを KDE Plasmaというデスクトップ環境(GUI、見た目)にしたもの、要するに Ubuntu + KDEで Kubunutu。
見た目が違うだけで、中身はほぼ Ubuntu、KDEをカスタマイズすれば win7、win10風にもっとも似せられる、見た目の良さなら Kubuntuaが良いと思う。
自分は試したが Ubuntuに後から KDEを足して変えられたりする、その程度の違いだけど、 Ubuntuは5年サポート Kubuntuは 3年サポートなので、そのためにその方法を取るのもあり、ただ個人的感想では初めから Kubuntuでインストールした方がスッキリする感じはする。
Lubuntu (2009) → 拡大
Ubuntu最軽量ならこれ。
Ubuntu + LXQtの GUIで Lubuntu、LXQt(元 LXDE)は Linux GUIの中では最軽量の方なので、CPU2コア以下、メモリ 4GB以下のような場合には良いと思われる。
意外とデザインセンスが優れていて綺麗な印象。
Xubuntu (2006) → 拡大
Ubuntu + xfceで Xubuntu(ズブンツ)、軽量系。
ZorinOS (2006) Ubuntu + 独自 GUI
当時12歳と14歳の少年が作ったらしい、有償版が存在する。
4つの GUIを切り替えて使えるが、試した限りではカスタマイズはあまりできない。
ここまでは、見た目の違いはあるけど、ほぼ中身は Ubuntu。
Manjaro (2012) → 拡大
Arch Linuxをベースにしてユーザーフレンドリーなディストリビューションを目指した、という事で Arch Linux系の Mintみたいな感じ。
Manjaroはキリマンジャロ(山)から、ちょっとさわった感じでは Ubuntu系に比べてバグが多いというか、コンソールの出番が多いというか。
ローリングリリースという特徴があって、これはサポート期間というのが無くて、ずっとアップデートし続けて使える、というもの、欠点としてはアップデートに不具合があった場合は影響を受けやすい、という事。
MX Linux (2014) → 拡大
Debian系の Mintみたいな感じ、ユーザーマニュアルまで日本語になってる。
xfceと KDEと Fluxboxとかいう GUIを選べるが、ちょっと触った感じではメインで開発している xfceを使うのが無難な感じがする。
10分放置すると画面表示が消えて、ハードの電源ボタンを押さないと復帰できない、という不具合があって(たぶんノート PC用の仕様)、仮想環境では復帰できないが、対策はモニターの電源 OFFの時間を 0分にする事、たぶん。
そんな感じで、とにかく軽量で、カスタマイズが豊富な印象を受けるので、Core2Duoくらいの古いノート PCに入れて遊ぶのが最適ではないかというのが個人的な感想。
以上、そんな感じで初心者向けと言われる Linuxの紹介を終わる。
そもそも Windowsや MACとかの OS(オペレーティングシステム)って、ファイルやソフトの操作(オペレート)をするものだけど。
元々は例えば DOS(ディスクオペレーティングシステム)とか言うものを、コマンドラインで操作していたので、これは Linuxだとコンソール
Windowsだとコマンドプロンプトで、今でも使う事がある。
こんな感じの操作環境を CUI(キャラクターユーザーインターフェイス)と呼ぶ、キャラクターは「文字」という意味。
OSをコマンドでは無くて、マウス等で視覚的に操作できるようにしたものを GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)と呼ぶ。
Linuxで数ある GUIの種類の事をデスクトップ環境と呼ぶ。
Linuxは様々なソフトを組み合わせて作られてるので、GUIも組み合わせで選べる、という事になってる。
今回扱った主なデスクトップ環境は次の通り。
LXQT xfce MATE cinnamon KDE GNOME Budgie
大体は、左に行くほど軽くて、右に行くほど重い、と言っても使用メモリ 400MB~1.2GBくらいの差で、よほど古い PCでも無ければ、意識するほど違わない、つまり Windowsに比べれば遥かに軽い。
一応 MATEから左は、CPU2コア、メモリ 4GB以下、cinnamonから右は CPU4コア以上、メモリ 8GB以上くらいの目安ではないかと思います。
それでは一つ々見ていきましょう。
KDE Plasma(ケーディーイープラズマ)
もっとも win7、win10風にカスタマイズできる GUI、Windowsに慣れた人には良いかも。
元々は KDE(K デスクトップ Environment(環境))とかなんとか、よく分からないけど3つくらいある KDEプロジェクトの一つであるデスクトップ環境のプロジェクトの事を KDE Plasmaと呼び、この場合正式名称は Plasma(プラズマ)らしい。
KDEは Ubuntu(Kubuntu)、Manjaro、MXLinaxと、多くの Linuxで使える。
GNOME(グノーム)
WIN風の KDEに対抗して MAC風の GNOMEができてきたらしく、長らく対立していたんだそうで Linuxでは両巨頭だったらしい。
GNOME2までは評判が良かったけど、GNOME3になってモバイル向けデザインになったらしく、使い難いと評判が悪く、これは Windowsだとモバイル向けになった Win8のような失敗(?)らしい。
そのため GNOME2を継承した MATEや GNOME3派生の cinnamon、Budgie等が派生している。
現在の Ubuntuに採用されているのが、この GNOME3なので、自分が使った分にはやはり使い難く、そのため初心者に Ubuntuそのものはおすすめしない。
シャットダウンの位置は、一番右上の隅。
結局使ってる玄人の人も、拡張機能等でカスタマイズして改造して使ってるとかなんとか。
MATE(マテ)
Mintで使える GNOME2派生の中量級 GUI。
winXP風と言えるけど、使いやすい、弱点は Mintの GUI 3つに言える事だけどデフォルトのアイコンがあまり良くない。
マテというのはマテ茶というお茶の事だそうな。
cinnamon(シナモン)
Mintで使える他、Ubuntu cinnamonというものもあるみたい、Mintでは一番重量級で綺麗な GUI。
GNOME3が使い難いという事から GNOME3をベースに派生したらしい、MATEと KDEの中間くらい。
シナモンもお茶の名前なんだそうな。
Budgie(バッジィ)
今回いじらなかったので分かりませんけど GNOME3をベースに派生した MAC風の GUIのようです、たぶん MAC風が好きならこれなのかもしれません、Ubuntu Budgieというものがあるようです。
Budgieというのはセキセイインコの事のようです。
xfce(エックス エフ シー イー)
古くからある軽量級 GUI。
個人的に使い難いと思うのは、スタートウインドウの列の右がメインで左がサブな所。
画像は Xubuntu、他に Mintでも Manjaroでも MX Linuxでも使える。
LXQt
たぶん古くからある最軽量級の GUI、軽い。
元 LXDEで、使用するソースを GTK+3から Qtに変えたとかで LXQtなんだそうな。
Qtはプロプライエタリのソースとか言う事で、プロプライエタリという言葉が難しくて、よく分からないけど「オープンソースでは無い」という事のようで、持ち主がいて著作権がある、という事で自由に改変できなくて、Linuxの理念では問題が起きた時に自由にソースをいじれるのが理想のようで、Qtのようなものは嫌われるんだそうだけど、KDE Plasmaも Qtらしい、そのため元の LXDEも未だに開発中という事みたい。
一覧
それでは、どれを使えば良いのかおすすめ順に紹介します。
1位 Mint → 拡大
安定性、使いやすさで Mint(ミント)です、初めはこれを試せば間違いないと思います。
デスクトップ環境は xfce、MATE、cinnamonを選べますけど、4コア以上の CPUなら cinnamonで良いと思います(画像は cinnamon)
MATEもこじんまりとして良いので、画面が小さいとかノート PCや 2コアくらいの CPUなら MATEが良いかもしれません。
アイコンセットは設定で変えた方が良いかもしれません。
2位 Kubuntu → 拡大
win7、win10に一番見た目を似せられます、Windows好きなら Kubuntu(クブンツ)が良いと思います、というよりグレードの高い GUIはそんなに選択肢が無い感じもします。
MAC好きなら同位で Budgieが良いと思います、Ubuntu Badgieというものがあります。
Kubuntuのデスクトップ環境である KDE Plasmaは、大体どの Linuxでも使えるようです、初心者には安定性で Ubuntuである Kubuntuをすすめます。
3位 Lubuntu → 拡大
軽量なら Lubuntu(ルブンツ)が良いと思います、1コアCPUでも使える感じがします。
GUIの LXQtはシンプルですけど使いやすいと思います。
Lubuntuはデザインセンスが良くて、案外綺麗なのも良いです、GUIのカスタマイズも細々と(色の変更くらいだけど)できて良い感じです。
おすすめは以上です。
Ubuntuそのものは自分はおすすめしません、GUIのGNOME3が使い難いと感じます。
Arch Linuxベースの Manjaro、Debianベースの MXLinuxについては、脱初心者~中級者くらいだと思います、バグもあるし、コンソールの出番も多いと感じます、でもたぶんこれくらいが普通の Linuxなんだとも思いますね。
自分は試してませんけど、Linuxはプリンターの設定が難しいという情報があります、Ubuntu系はそれもすんなりとできる、という事らしいです。
以上で記事を終わります、次回は VirtualBox(仮想マシン)の使い方と Ubuntuのインストールをやる予定です。